ラポーム 2018年5月号

1993年7月に出版された荻村伊智朗さん最晩年の著書「スポーツが世界をつなぐ」(岩波ジュニア新書)には、荻村さんが高校1年生で卓球をはじめ、後に国際卓球連盟会長として活動された45年間にわたる荻村さんの卓球を通しての数々の出会いの思い出と、国際卓球連盟会長としての未来の卓球のビジョンが、それこそ走馬燈のように語られています。

その中には、ソウル・オリンピックの卓球競技に二度も足を運んだイギリスのアン王女に卓球の解説したときのことも書かれています。

荻村さんの有名な言葉「卓球というのは100メートル競技をしながらブリッジをするみたいなものです。大変なアスレチックな能力と、そして同時進行で、最高の知能能力を要求されるスポーツです」はその時に荻村さんがアン王女にお話ししたものです。

「スポーツが世界をつなぐ」という題名どおり、驚くほどたくさんの人との出会いが次々と語られています。
1990年卓球ディナーショーの話が出てきたかと思うと、一瞬で1900年のピンポンお茶会の場面に変わります。
ルールや用具、マナーや高校時代の練習場の掃除の話まで縦横無尽に繋がり、まるで高度な卓球のラリーのようです。

この本に書かれていることは、荻村さんの卓球の活動の一部ですが、荻村さんのすべてを見たような不思議な感じもします。

第5章には「生涯スポーツとしての卓球」として〈卓球社交場ITS〉の例を「しっかり」書いていただいています。

たとえば「プロのピアニストも、お琴の家元も、アートディレクターも商社マンも床屋さんも色々な人たちが、時に一緒に楽しみ、時にバラバラに活動します。初心者もいれば、世界選手権者もいます。様々なシーンで様々な出会いがあります」とあり、生涯スポーツとは多様性であるという荻村さんの考え方がはっきりと描かれています。


4月のある金曜日、メンバーのTさんが「ご報告したいことがあります」とITSに来られました。
3年前にITSの卓球教室で出会ったHさんとご結婚することになったそうです。

卓球社交場ITS三鷹の出会いが生んだ幸せをメンバーの皆様にもご報告させていただきます。
お二人には荻村伊智朗サイン入り「スポーツが世界をつなぐ」をプレゼントしたいと思います。末永くお幸せに!

*「スポーツが世界をつなぐ」はITSで購入できます。600円(税込み)

ITS三鷹 代表 織部幸治

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