ラポーム 2013年8月
テニスのウインブルドン(全英オープン)2013年大会においてイングランドから77年ぶりの優勝者が生まれました。アンディー・マレーという選手です。77年前の1936年に優勝したのは、フレッド・ペリーという選手です。
ペリーはなんと1929年の第3回世界卓球選手権ブタペスト大会において男子シングルスで優勝しています。1930年に卓球からテニスに転向したそうです。
そして1934年、1935年、1936年とウインブルドンで3連覇を成し遂げているのです。
1969年ウインブルドン大会の女子優勝者であるアン・ヘイドンも卓球選手からテニス選手に転向した選手です。
1957年には世界卓球選手権ストックホルム大会女子シングルスで準優勝した名手です。
この大会の優勝は江口冨士枝さん(ITSメンバー)です。
かつてイングランドあるいはヨーロッパでは今よりも卓球とテニスの距離は近く、両方をプレイする人が案外多かったのかもしれないと思いました。
どなたかそのことに詳しい方がいらっしゃったら教えて下さい。
2013ウインブルドン男子決勝、マレー対ジョコビッチ戦を知人から貰ったDVDでじっくり見ましたが、あの広いコートを3時間以上にわたり両選手とも走り回り、ボレー、トップスピン、ドロップショット、ロブなどテニスのいろいろな技を駆使し、テニスをしない私ですが3時間以上画面に釘付けにされました。
また隙のないキビキビしたボールボーイ、ボールガールの動きやコートを取り囲むように配置された審判員達の姿も見事で、決勝戦のプレーを更に惹きたてていると感じました。
観客も選手がプレーに入る時には、完全に静かな環境をつくり選手のプレーを邪魔しないように心がけていました。
まるで劇場でクラシックを観賞するのと同じ様子でした。
卓球の世界選手権大会は1927年に第一回大会がロンドンで行われましたが、テニスでは、その50年前の1877年に第一回ウインブルドン大会が行われています。
ウインブルドン大会は、その長い歴史において、テニスのプレーだけでなく試合を取り巻く環境も見事に磨き続けてきたことをこの試合は証明しています。
いや、だからこそ続いているのだし、環境が選手を磨いてきたも言えるのだと思いました。
メンバーの皆様のご協力によりITSの奨励金付きチャレンジマッチが毎週水曜日に行われ、参加選手の数も増えてきています。
120年後にウインブルドンテニスに匹敵するような大会に育てるためには、揺るがない哲学、精神がまず大切であり、そのために変えてはならないルールと変えていかなければならないルールを、時代に合わせ常に真剣に考えながら進めてゆくことが大切なことをウインブルドンテニス2013が教えてくれました。
ITS三鷹 代表 織部幸治