ラポーム 2013年2月

Strong PlayerとGood Sportsman

今年の全日本選手権大会は1月中旬、国立代々木競技場第一体育館で行われました。

昭和39年の東京オリンピックのために建てられたこの体育館は、変化の激しい原宿という若者の街の中で半世紀を超えてじっと動かずに、今なおどっしりとした安定感と存在感を見せて、明治神宮の景色と見事に調和しています。

ここでプレイできることを誇りに思える競技場であることを、あらためて感じました。

男子シングルス優勝の丹羽孝希選手は18歳。
体は小さいですが、打球をするときの迫力は満点。
まるで猛獣のような動きでした。
早くから注目されていた選手が期待どおりに成長し見事に栄冠を勝ち取りました。
そして彼に続く多くの若い世代も活躍し世界の場で躍進していく雰囲気が日本の卓球の中に漂っています。

女子シングルス2連覇の福原愛選手は肘の手術を乗り越え、福原型とも言える独特のスタイルを長い努力の末に、今大会で完成したと感じました。
大したものです。

丹羽、福原両選手は全日本で最も強い選手(Strong Player)になりました。

昨年ロンドンオリンピックでベスト8に入り、調子を上げている岸川聖也選手はやはり優勝候補でした。
準々決勝で若手の実力者松平健太選手に3-3ゲームオール9本で敗れましたが今大会屈指の好試合でした。

試合後、岸川選手は松平選手の肩を軽く叩きながら、審判との握手を行っていました。
死闘と言えるような試合の直後に勝者を讃えることは、なかなかできることではありません。
私には大会随一のすばらしい景色でした。

私が選ぶ今大会のBest Sportsman賞は岸川選手です。
すべての選手が彼を見習ってほしいものだと思いました。

記録的に寒い1月の日本に、観測史上もっと熱い灼熱のオーストラリアからトレーニングに来ている3人の選手とコーチのタウンゼント氏に全日本の感想を聞いてみました。

クイーンズランド州競技力向上委員長のタウンゼント氏は、「ロケーション、そして会場もすばらしい。そしてなにより大会運営がすばらしい。プロフェッショナルだ。」

カイル、ディラン、ジャクソンの3選手は、「会場が大きくそして天井が高かった。選手の競技レベルがとても高い。すごく刺激になり、勉強になった」と全日本選手権大会を見学できたことをとても感謝していました。

日本で学んだことを生かし、Strong Player そしてGood Sportsmanに成長してほしいと思います。
ITS三鷹 代表 織部幸治

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