ラポーム 2021年3月

世界に一つだけの卓球台

荻村伊智朗さんは1986年に「卓球・勉強・卓球」を、1993年に「スポーツが世界をつなぐ」という本を岩波ジュニア新書から出しておられます。
どちらも荻村さんの自伝ともいえる、荻村さんのフットワークのように軽快な、そして大変読みやすい本です。

「卓球・勉強・卓球」は荻村さんが16才都立西高一年で卓球を始めたところから、1970年代のいわゆるピンポン外交までのことが書かれています。

「スポーツが世界をつなぐ」には1987年に荻村さんが国際卓球連盟会長に就任してからのことが付け加えられていますので、この両方の本を読むと荻村さんの45年間の卓球の輪郭が夕日に浮かぶ富士山のようにくっきりと見え感動的です。

荻村さんは1987年に国際卓球連盟会長に就任され、世界中を飛び回って(2年間で80カ国)世界の卓球の普及と強化の原動力となりました。
1991年世界選手権幕張大会では世界が喝采した南北朝鮮統一チーム(コリア)を実現したり、その他にもそれこそ毎日のように世界の卓球を進化・発展させました。

ITS三鷹卓球クラブは荻村さんが国際卓球連盟会長に就任された翌年1988年に創設されましたから、これら2冊の本はそんな中で書かれたものです。

「スポーツが世界をつなぐ」の中で荻村さんはITS三鷹のこともかなりの項を割いて書いてくださっています。
荻村さんの国際卓球連盟会長としての卓球普及発展活動の一つとしても、ITS三鷹がいかに大切なものであったが、この本を読むとよくわかります。

荻村さんの卓球場であった国際卓球会館から、日本初の会員制卓球クラブとして創設されたITS三鷹が、古いイメージの卓球場から新しい感覚の卓球の場にいかに変身するかを実験する荻村さんの大きなチャレンジでもあったのです。

1988年ITS三鷹設立の年には、1年間に50を超えるメディアの取材を受けました。

メンバーであり、デザイナーの佐藤博さんがデザインしてくださったDoステージのブルーの卓球台は、まさに新しい感覚の卓球社交場の顔となりました。

台の足は4本という難しいコンセプトに卓球台の「三英」社は見事に応えてくださり、素晴らしいITS三鷹だけのオリジナル卓球台が完成しました。

そしてこの度ITS三鷹のメンバーに愛され続けた卓球台の天板は「三英」社のご協力によりよみがえりました。
卓球台には穴もなくなり、カドも修復されました。

新しくなった世界に一つだけ(6台だけ)の卓球台で、これからの新しい時代にこころゆくまで卓球を楽しんでください。
ITS三鷹 代表 織部幸治

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