ラポーム 2021年2月
1月11日から17日まで令和3年全日本卓球選手権大会が大阪で行われました。無観客大会でしたので試合は映像で見ましたが、素晴らしいゲームが展開され、選手たちが全日本に向けて質の高い訓練をしてきたことがよくわかりました。
5年ぶり5度目の優勝を成し遂げた石川佳純選手の円熟したプレーと洗練されたスイングは、それを観た多くの人が新しい石川佳純だと感じたのではないかと思います。
何かを乗り越えた!と私は感じました。
試合は相手と自分の間に流れるリズムを掴み、気分最高潮で乗りまくっていかなければ力を存分に発揮することはできません。
尊敬する平野早矢香さんのご結婚のニュースも石川選手に大きなプラスの力を与えたように思います。
「朝からウキウキしています」という1月15日の石川選手のコメントは素敵でした。
決勝で敗れたとはいえ伊藤美誠選手の独特な世界も印象的でした。
伊藤選手は今までにない新しい卓球の魅力と可能性を今年もまた見せてくれたと感じています。
女子決勝の第7セット終盤のラリーは、今後語り継がれる内容だったと思います。
女子決勝の第7セット終盤のラリーは、今後語り継がれる内容だったと思います。
男子決勝森園政崇選手対及川瑞基選手も見ごたえのある好試合でした。
とくにマッチポイントを握られながら、そのゲーム最高のプレーでジュースに持ち込み、その後逆転勝利した及川選手の詰めの見事さは、彼の精神力の強さと智力の高さを証明したと感じます。
今年は新型コロナ感染が拡大する中で行われましたが、無事終了できたことは本当に良かったと思います。
今、人類にとって共通の課題は、新型コロナ感染問題を克服することです。
そのため今大会では「選手は大きな声を出さないでプレーをすること」という条件が課されました。
普段大きな声で調子を上げる選手にとっては難しいことだったと思います。
しかし、私たち卓球を愛する者は、プレーヤーである前にスポーツマンでであり、さらにその前に人間であるという順番を守らなければならないということだと思います。
だからこそ飛沫を防ぐため「大きな声を出さない」というルールを日本卓球協会は選手に課したのです。
私はすべての試合を見たわけではありませんが、男子優勝した及川瑞基選手は、優勝の瞬間も含め決勝戦で1度も声を出しませんでした。
声を出さないからこそ素晴らしいプレーができることも証明してくれました。
卓球の代表として世界中の人に誇れる素晴らしい日本チャンピオンの誕生だと思います。
ITS三鷹 代表 織部幸治