「2023世界卓球選手権南アフリカ大会」ラポーム 2023年6月号 -東京の卓球スクール-

2023世界卓球選手権南アフリカ大会

5月20日から28日まで、アフリカ大陸で2度目の開催となる2023世界卓球選手権大会が南アフリカ(ダーバン)で行われました。

中国が全種目金メダルを獲得し、あらためて中国卓球の実力を示した結果となりました。

1959年に容国団が男子シングルスで中国初の金メダルを獲得し、その後に参加した41回のすべての世界選手権大会において、中国卓球は何らかの種目において金メダルを獲得し続けています。
中国卓球の競争力の高さと、それを保持する長さは驚異的です。
途切れることのない、たゆまぬ努力と卓球競技発展への貢献には尊敬の念以外にありません。

今大会で日本は、混合ダブルスで張本智和・早田ひなペアが銀メダル、女子シングルスで早田ひなが銅メダル、女子ダブルスで長崎美柚・木原美悠ペアが銅メダルを獲得しました。
日本選手は今回の世界選手権大会において中国に次ぐ成績を残し、際立った存在感を世界に示しました。
中国には及びませんでしたが、すばらしいプレーを見せてくれた日本選手達に拍手を送りたい気持ちです。
中国卓球と同様、日本の卓球は今回も卓球競技の発展に大きく貢献をしていることを感じます。

シングルスは男子は樊振東、女子は孫頴莎が優勝し、共に世界ランクNO.1の貫録を見せました。
2015年以降の世界選手権大会とオリンピックの男子シングルス優勝はすべて馬龍と樊振東二人が獲得しています。
馬龍、樊振東時代は今なお続いています。

決勝で敗れた王楚欽は23歳、長身(182cm)の左のドライブ型で、多彩なバックハンドと強烈なFHドライブで速いテンポのラリーを制する、どちらかと言えばヨーロッパ選手的なプレーで馬龍に準決勝で勝ち、決勝も樊振東に迫りました。
強烈な次世代選手です。

女子優勝の孫頴莎は22歳、右の両ハンドドライブ型、速いテンポの中で鋭いバックハンドカウンタードライブとダイナミックなFHパワードライブで相手を圧倒しました。

早田ひなは、準々決勝で中国の王芸迪との歴史的激戦を制した後、準決勝でこの孫頴莎に挑み1-4で敗れたものの随所で互角の実力を発揮しました。
試合後の握手では孫頴莎の早田ひなへの尊敬と思いやりが感じられ、感動的な瞬間でした。

試合後の挨拶はそのスポーツが持つ文化を多くの人に伝える大きなチャンスだと再認識しました。
新チャンピン孫頴莎はその責任を見事に果たしました。

2023世界卓球選手権南アフリカ大会の実現とエジプト代表アサル選手の活躍(男子シングルスベスト8)は、アフリカ大陸からの世界チャンピオン輩出の大きな一歩となったと思います。
ITTF会長時代アフリカ大陸の卓球の発展にも尽力された荻村伊智朗さんにとっても大変うれしいものだったと思います。

ITS三鷹 代表 織部幸治

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