「2023Tリーグ個人戦」ラポーム 2023年7月号 -東京の卓球スクール-
2023Tリーグ個人戦
5月に南アフリカ共和国で行われた世界卓球選手権ダーバン大会から約3週間後の6月17日、18日にTリーグの個人戦が、今年4月に完成したという東洋大学赤羽台キャンパス内の新体育館で行われ、男子は張本智和選手、女子は平野美宇選手が見事なプレーで優勝しました。
Tリーグによりレベルの高い試合数が増したため、それに参戦している選手たちの選手生活がさらに苛酷なものになっているようですが、それゆえに真のプロフェッショナルな選手が育ちつつあることを感じます。
世界選手権ダーバン大会女子シングルス準決勝の早田ひな選手が王芸迪選手にゲームオール21-19で勝った圧巻のプレーは、卓球の高速化という意味においても、未だに鮮烈な記憶として残っていますが、そのほんの3週間後のTリーグ個人戦の準決勝の伊藤美誠対早田ひな戦では、さらに卓球が速くなったように感じました。
あらゆるスポーツが時代と共に高速化の道を歩みますが、私には卓球にもその進化、発展が今まさに起きているように見えます。
日本卓球が中国卓球に近づきつつあることは、世界も、また中国も感じています。
卓球における高速化への進化と発展は、日本卓球が中国卓球に肩を並べた時さらに加速するのだろうと思います。
観客席にも変化が起きていました。
多くのファンが、自分が「推す」選手の名前入りのタオルや自家製の名前入りのオリジナルボードをもって応援していました。会場はエリア内自由席なので、試合ごとにお目当ての選手の近くの座席に移動(疾走)することができるようになっていて、動きの活発な観客席でした。
卓球のゲームを楽しむ人が50%、目当ての選手をピンポイントで応援することを楽しんでいる人が50%というのが私の持った印象です。
かつては競技者か愛好家という違いはあっても、ほぼすべての人が卓球選手かその関係者で埋められていた観客席の様子にも変化が起きていることを感じました。
Tリーグが日本卓球の競争力とエンターテイメントの両方を向上させていると感じた2日間でした。
ITS三鷹 代表 織部幸治