ラポーム 2023年1月号 -東京の卓球スクール-

明けましておめでとうございます。

旧年中はご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

昨年12月、荻村さんの夢展における第3回目の「ITSオンライン卓球フォーラム」では、元日本代表監督の倉嶋洋介氏にご登壇いただき先の世界選手権成都大会で大活躍した張本智和選手の試合と過去十年間の成長を中心にお話しいただきました。

1時間という短い時間でしたが、有意義でナイスな倉嶋洋介タイムを楽しみました。

倉嶋さんのご希望でフォーラムは織部の質問に倉嶋さんが答えるという形で進行しました。
主には張本選手についての話になりましたが、私が一番興味深いと思ったのは、実は倉嶋さんと荻村伊智朗さんが「つながった」話でした。

倉嶋さんは、張本智和の打球点の早い超攻撃卓球こそが中国に勝ちうる可能性が最も高いという考えで、これはかつて荻村さんが日本代表選手たちに言っておられたことと全く同じ考えなので、そのことを聞いてみると、

「自分が高校生の時に亡くなった荻村さんとは、ほとんど接点はありません。しかし1994年にジュニアでスペインオープンに参加していた時に、荻村さんから監督の前原正浩さんに送られてきたファックスの中に自分のことが書かれていたことを覚えています。
そこには『倉嶋君も将来有望だそうだが、攻めが遅くては一定のところで終わるでしょう。今のうちに理解できるかどうかが彼の将来を決するでしょう。前原君の影響力に期待しています。』と書かれていました。」との答えでした。

およそ30年後の今でも、高校生の時に受けた指導者からの厳しい指摘の詳細を記憶に残しているのは、倉嶋さんの卓球に対しての真剣さと、それが熱烈な応援者から自分への温かなアドバイスであると感じられる感性があったからでしょう。

第3回ITS卓球フォーラムには、前原正浩さんのお嬢さんの前原麻穂さんがオンラインで参加されていて、倉嶋さんのトークの内容(前原正浩さんが見せてくれた荻村さんからのメッセージファックスの話)をすぐに前原正浩さんに伝えてくださり、その後すぐに28年前に倉嶋さんが高校生の時に見た荻村さんからのファックスが麻穂さんに届いたそうです。
前原正浩さんの卓球にかける気合も感動的です。

荻村さんが遺した言葉「卓球は時間と空間の総合芸術」は荻村伊智朗思想の頂点にある考え方だと私は思っていますが、荻村伊智朗・前原正浩・倉嶋洋介と続いた見事な日本卓球リレーも総合芸術と感じました。
日本の素晴らしい卓球はこれからも健在です。

皆様にとって穏やかな良い年でありますようお祈り申し上げます。
令和5年 元旦
ITS三鷹 代表 織部幸治

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