「2024年全日本卓球選手権:新たな伝説の誕生とオリンピックへの道」ラポーム 2024年2月号 -東京の卓球スクール-

2024年全日本卓球選手権:新たな伝説の誕生とオリンピックへの道

2024年全日本卓球選手権大会は素晴らしい男女シングルス決勝戦で幕を閉じました。
女子シングルス優勝の早田ひな選手は合計6試合で落としたのはわずか1ゲームのみという圧勝でした。
このところ驚異的に成長している張本美和選手が決勝まで勝ち上がり、決勝でも随所で素晴らしいプレーを見せましたが、早田選手はアートとも表現されるべき最上のプレーで快勝しました。

男子シングルス決勝は昨年チャンピオンの戸上隼輔選手と張本智和選手との激戦でした。
張本選手が8マッチポイントをしのぎ、最終ゲーム16-14という全日本決勝では過去に例のないような僅差で2度目の優勝を成し遂げました。
優勝インタビューでの戸上選手への敬意と感謝は、卓球のチャンピオン選手として最高の場で最高のメッセージを発信してくれたと感じました。
また「この開会式が終わったらすぐに新たなトレーニングを始めたい」という張本選手の言葉は、世界を目指す若い選手達へのエールとも私には聞こえました。

今大会は2024年7月26日から行われるパリ五輪の最終の代表選考大会ということで伊藤美誠選手の成績が大いに注目を集めての開催でした。
残念ながら伊藤選手はベスト16で終わり、パリオリンピックシングルスの出場権は獲得できませんでした。

落胆の様子がメディアで報道されていましたが、伊藤選手のこれまでの努力と実績とを考えると、私は個人的には3人目の代表選手として選ばれることを望んでいます。
そして伊藤選手も参加することを決意し臨んでほしいと思います。
また中国卓球をして「大魔王」と言わせ、その堅牢な牙城の一角を崩し、男女を問わず世界の卓球選手達を虜にした伊藤選手のユニークで斬新な「新卓球」は多くの卓球選手達のインスピレーションを刺激し、卓球を発展させたと言えます。

過去5年の世界の卓球競技における伊藤美誠選手の貢献は特筆すべきものだと思います。
現在世界ランキングで10位と日本選手としては2番目に位置している伊藤選手が代表として選ばれ、早田ひな、平野美宇、伊藤美誠という3人で中国卓球に挑んでほしいと強く思います。

早田、平野両選手は伊藤選手の親友として共に、あるいは追いかけて強くなってきました。
伊藤選手のおかげでここまで成長してこれたと感じているはずです。
半年後、伊藤美誠選手には「新.新卓球」を見せて再び世界中の人を伊藤美誠ファンにしてほしいと思います。
ITS三鷹 代表 織部幸治

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